CIOFについて

(English Version)

■CIOF の目的
CIOF が有効となる適用分野として以下の5つが挙げられます。CIOF パートナーズは、こうした課題を解決する企業を支援します。
① 製造ノウハウを含むデータの知財管理・・・加工に関するノウハウや CNC プログラムなど、営業秘密として価値が高い情報をデータとして取引先と共有する場合に、利用側でのデータの保存、修正、削除を監視し、技術漏洩リスクに対応します。
② 品質データ管理による高付加価値経営・・・高度で信頼性の高い品質管理を実現するために、工程内のさまざまな検査結果をデータ化し、取引先を含む複数拠点で共有し、適正な品質管理を現場サイドと経営サイドが一体となって管理します。
③ つながる中小製造業の競争力強化問題・・・生産プロセスの一部を担う中小製造業が、取引先と連携して品質および生産性を向上するために、中小企業が不利な立場とならないように工程進捗や在庫、検収などのデータを共有します。
④ AI によるエッジデータ収集と価値の共有・・・さまざまな生産拠点から CIOF によって AI の学習に必要な膨大なデータを収集するとともに、学習済みデータが生み出す価値を 1 次データの提供者とともにサービスとして提供します。
⑤ グリーン製造のための CO2 の見える化・・・カーボンニュートラルを実現するために、CIOF により、生産工程での CO2 消費量とともに、どの取引先からどの材料を用いたかといったスコープ3の見える化を可能とします。

■CIOF のシステム構成
 CIOF では、インターネット上で複数の事業者が契約にもとづいてデータの提供および利用を行うために、以下のような階層型のシステムアーキテクチャーとなっています。
① 統括サーバ・・・データを提供または利用する事業者やユーザの認証を行い、複数の連携サーバを統合的に管理します。これは IVI が管理します。
② 連携サーバ・・・ドメイン内の事業者や取引契約を管理し、各サイトから送られたデータをその宛先に確実に送信します。これは IVI が管理します。
③ 連携マネージャ・・・取引契約の作成や実際に行ったデータ取引の管理、さらにはサイトごとの実装の登録や辞書の編集などを行います。これは IVI が管理します。
④ 連携ターミナル・・・事業者がもつ各サイトに1つ存在し、提供または利用するデータの起点と終点として連携サーバと通信します。これは IVI が提供します。
⑤ エッジコントローラ・・・連携ターミナルに直接アクセスするソフトウェアで、データの提供または利用を仲介します。これは CIOF パートナーが提供します。
⑥ サービス実装・・・既存の業務の一部を担うソフトウェアです。独自に開発する場合と既存のシステムを一部手直しする場合があります。したがって、CIOF パートナー企業は、エッジコントローラおよび独自のサービス実装によるデータ連携型のビジネス展開を行うか、あるいは中核企業として複数企業が連携するプラットフォームを起点としたサービスモデルを展開することができます。

■CIOF の利用方法
 実際の業務で CIOF を利用する場合には、以下の3種類のユーザを想定する必要があります。それぞれのユーザごとに必要となる前提知識が異なります。①と②以外は外部委託することが可能であり、その場合には CIOF パートナー企業がそれをサービスとして提供することになります。
① 事業者管理ユーザ
事業者として CIOF に参加するにあたって、事業者内のサイトやユーザ登録などを設定し管理するユーザです。
② 契約管理ユーザ
データの提供と利用を伴う新たな取引を開始するにあたって、取引先との契約を作成する担当者です。業務知識が必要となります。
③ 実装管理ユーザ
それぞれの事業者で実際にデータを提供または利用するサイト(現場)において、対象となるデータを扱うシステムの構成を CIOF 上で定義する担当者です。
④ 辞書管理ユーザ
事業者が個々に利用している現場のシステム用語を定義し、共通辞書との対応関係を定義する担当者です。IT 知識が必要となります。