CIOFを活用した連携事例
加工データの連携(DMG森精機株式会社様)
加工に関するノウハウやNCプログラムなど、営業秘密として価値が高い情報をデータとして外部の取引先と共有する場合に、技術漏洩のリスクがあります。知財としてのデータの送信先において、データの保存、修正、削除を、CIOFが取引契約にもとづき監視し、かつ利用の実績を必要に応じて照会することで、取引先との高い信頼関係に裏付けられた生産プロセスの共有が可能となります。DMG森精機様は、NEDO実証実験の中で、こうした課題を解決するためのCELOS連携が可能なモジュールを開発し、その効果を検証しました。
品質データ管理による高付加価値経営(株式会社ジェイテクト様)
高度な品質管理では、工程内のさまざまな箇所で適切な検査が要求されます。こうした検査結果をデータ化し、 CIOFにより関連する複数拠点で共有し、問題発見に活用することで、適正な品質管理を現場サイドと経営サイドが一体となって管理できるしくみが構築できます。株式会社ジェイテクト様は、部品加工メーカーが連携することで品質データ、生産実績データの共有が可能であることを示し、NEDO実証実験の中で、生産ラインから直接得られるデータを用いた連携が効果的であることを示しました。
中小製造業の生産性向上(三菱電機株式会社様、ビジネスエンジニアリング株式会社様)
生産プロセスの一部を担う中小製造業は、比較的規模が小さく、現場のオペレーションと経営とが一体である場合が多いといえます。注文内容や在庫、出荷品の検収などのデータを、取引先と共有する場合に、中小企業でも安価でかつ容易に実装が可能であること、そして、できるだけ対応な取引関係が成り立つようにExcelを用いてmcframeと連携可能なコネクターを構築し、NEDOの実証実験の中でその効果を示しました。
AI活用のためのデータ送受信システム(株式会社安川電機様)
設備から得られる膨大なデータを、AIを用いて価値あるデータとするには、生産管理や品質管理などのデータと関連づけて学習させる必要があります。こうしたデータを複数の拠点から収集するためには、学習後のパラメータの権利関係などを明確にしておく必要があります。株式会社安川電機様では、ロボットコントローラから得られるデータをダイレクトに収集し、その学習結果を登録することでその価値を共有可能なしくみを提案し、NEDO実証実験においてその効果を検証しました。
CIOFと連携するエッジAIシステム(SCSK株式会社様)
AIによるエッジデータ収集と価値の共有としては、SCSK株式会社様は、製造現場における設備から得られる時系列データを収集し、AIエンジンを用いて学習するモデルを実際に運用し、その成果として故障予知が極めて高い精度で可能であることをNEDO実証実験の中で示しました。現場から得られる大量のデータを効率的に送受信し、エッジサイドで分散管理された一次データを、AIによる学習モデルに応じて効果的に収集し、それによって得られた成果を契約にもとづき共有することができることを示しました。
カーボンニュートラルへ向けた製造業のデータ連携(株式会社神戸製鋼所様 ケー・ティー・システム様、他)
製造業にとってカーボンニュートラル(CN)へ向けた取り組みは避けて通れません。サプライチェーン全体としてCO2消費量を削減するためには、それぞれの工場がどれだけ削減に貢献したかを数値化し見える化する必要があります。IVIの2021年度業務シナリオWGにおいて、株式会社神戸製鋼所様とケー・ティー・システム様のグループで、鋳造工場におけるCO2の排出量をIoTで測定し、その内容をサプライヤー間でCIOFを活用して共有するしくみを構築しました。こうした取り組みは、CNのスコープ3として、今後も広く展開が可能であると期待されています。